日本にスバルはいらない

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昨年11月、第43回東京モーターショーで華々しくデビューイベントが行われた、スバル「レヴォーグ」。4月から販売開始で、1月から受け付けている予約は好調とのこと。

スバルが好きだ。いや、スバルが好きだった。レガシィB4に乗っていたし、フォレスターは2台買った。ちょっと不器用で真面目な車づくりは、長距離移動やアウトドア愛好家に、無骨なデザインと共に、圧倒的に支持されていたよね。ただ、この頃のスバルは日本のスバリストと呼ばれる熱烈なファンと距離を置き始めたと感じる人も多いみたい。自分もその一人なので、今回はそのあたりを自分なりに勝手に分析しちゃおう。まあスバリストによって、パワートレインの進化やデザインとパッケージに関しては沢山論じられているので、自分は商売を中心に考察してみる。

トヨタの軍門に下り、トヨタ車を作ることで米国での工場の稼働率を向上させ、主力車のレガシィを米国人好みに仕様変更することで大ヒット。北米マーケットでの業績を一気に回復させ、会社全体として大躍進しているスバル。経営的には、生産と販売を同時に改善した良い例として、株主には大好評だろう。今では、トヨタ車の生産を継続するのが難しいぐらい、好業績に沸いている。”作り上手の商売下手”と言われていたのが懐かしい。が、めでたし、めでたしとならないのが世の中の常で、物事にはトレードオフが存在する。

上客としてのアメリカ人好みの車づくりを進めると、レガシィがデカくなり、ステーションワゴンが廃止される。レガシィのブランドを共に作り、支えた日本のスバリスト達の好みが無視されるワケね。スバルと言えば、レガシィステーションワゴンの4WDターボってのが、一昔前の認識だったけど、まあ車名だけ残った感じ。おかわりとして、一つ下のクラス、Cセグメント(カローラクラス)のインプレッサをワゴン化し、ターボと4WDでお化粧し、レヴォーグという車名で日本のスバリストを慰めてくれるようだ。

”おいおい、日本のスバリストに車格落ちの車を売りつけるのかよ!”

と思うなかれ。これって、世界中の自動車会社が今やっている流行の商売のやり方で、先輩がいる。BMWが買収したMINIだ。Bセグメント(ヴィッツクラス)の自動車を100万円高く売って、商売的に大成功。世界の自動車会社がそのマーケティングに脱帽したんだよねぇ。今回のスバルのやり方もちょっと似ていて、MINIは”おしゃれ”を付加価値として同セグメントの車より高く売っているが、スバルもステーションワゴンの”伝統”と4WDとターボの”技術”を付加価値として同セグメントの車より高く(カローラワゴンの2倍ぐらい?で)売ろうとしている。

企業の成長と共に、沢山買ってくれる顧客に顧客層が変わるのは当たり前の話なんだけど、日本のスバリストには、フラれた恋人を逆恨みするような感覚からナカナカ抜け出せない人も多いようだ。でも新しい恋人(米国市場)ができたのに、まだお前のコト(日本のスバリスト)も好きなんだよと中途半端なメッセージを送るスバルにも責任がある。今のスバルに一つだけお願いがあるとしたら、それはプロ野球を見習って欲しいということだ。アメリカで勝負するんだったら、大リーグに挑戦する日本人選手のように、堂々と宣言し、スバリストから”寂しいけど応援してるよ。”とエールを送られるぐらいになって欲しい。今のスバルは具体的に何をすべきか?ズバリ、アメリカへの本社移転でしょ!

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平山雅一

株式会社BFT 代表取締役

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SUBARU レヴォーグ