ほうとうは給食の味

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郷土家庭の味、ほうとう。うどんとのちがいは、粉が付いたまま煮込むこと。

山梨県から県外 へ転出したのは大学生になった18歳の春。丁度引っ越しの日に<地下鉄 サリン事件>が起こったこともあり、大学の入学式等で「山梨県の出身です」と話すと「上九一色村は近い?」とよく聞かれたものです。

社会人になり「出身は山梨県です。」と話すと会社でも宴席でも「ほうとう美味しいよね」と言われることが多いのですがその時に私は必ずこう答えます。「皆さんが食べているほうとうはたぶん私の食べているほうとうとは違います。一番おいしいほうとうは学校給食で出たものですよ。」と。そう話すと「その ほうとうを食べたい!」と要望されることも多く自宅に友人を招いてほうとう会を何度かこれまで開催してきました。

ほうとう(「餺飥」と書きます) とうどんの主な違いは麺をゆでてからつゆに入れるか 粉がついたまま煮込むかというところです。粉がついたままなのでだし汁にとろみがつくのが特徴です。これは私が中学校の時の家庭科の授業で郷土食を学んだ時に教えてもらいました。

山梨県で必ずほうとうを食べる日は冬至です。冬至は柚子湯に入る事と、「ん」のつく食べ物を食べるといいということで<なんきん>と呼ばれるカボチャを食べる事で長寿を願うというのが一般的な風習 です。実は山梨県の家庭で食べられているほうとうには必ずカボチャが入っているのです。それゆえお店で食べるほうとうで「カボチャが入っていないほうとうはほうとうじゃない」と言う人もいます。

美味しいほうとうの作り方は後程として美味しいお店はどこか?ということ皆さん興味があるかと思います。私の一番のおすすめは 「ほうとう不動」。
ここはお品書きもシンプル!ほうとうも1種類のみです。中の具材はなめこ、白菜、油揚げ、人参、葱、カボチャといった野菜のみでシンプル。でもとてもよく煮込まれていてこれが私の求める給食で大量に作られた味に近いです(※これに豚肉が入っているのが給食の味です)。ぜひとも河口湖方面へ行った際には立ち寄っていただきたいです。煮込み時間の関係でテーブルに提供されるまで少しお時間がかかりますが、この待っている間こそがほうとうがだし のうまみをたっぷり吸ったものに出来上がる時間。我慢です。

さてお待たせしました!美味しいほうとうの作り方です。観光地やスーパーで売っている粉のついているタイプのほうとうを使って一般 の家庭でも地元の味を再現してみます。

材料

2-3人前
ほうとう(粉のついているもの):2人前 ※人数分用意すると具材が多いので結構おなか一杯になります
白菜:1/8 ※白菜がない場合は玉ねぎ1個で代用
人参:1/3本 白 ネギ:1本
国産カボチャ:1/4個
豚小間:100g ※鶏の細切れでも代用可能
油揚げ:1枚
えのき:1/2袋
サトイモ:2個(これは私の出身地甲斐市の特産品八幡芋ということもあり実家では必須)
合わせ味噌:大匙4
だし:3カップ (顆粒だし+水でOK) だしはカツオだしがおすすめです。
砂糖:大匙2
醤油:大匙1
油:大匙2

作り方

1. 材料を切る。カボチャは3cm角、人参と白菜は千六本切、白ネギは1cm幅の斜め切り、油揚げも1cm幅で食べやすく切る。サトイモは皮をむいて1/2カットにする。えのきは長さを1/2にカットする。
2. 大きな鍋に油を入れて熱し、豚肉を入れて色が変わってきたらカボチャ、人参を加えて油が回るまで炒める。油が回ったら出汁を2カップ分だけ加えて沸騰させる。
3. 沸騰したら灰汁を取り、油揚げ、白菜、白ネギを加えて15分程煮込む。
4. カボチャが柔らかくなったら味噌、砂糖を加え、ほうとうをばらけさせながら加えて30分以上弱火で煮込む。途中で水加減を見ながら残りの1カップのだしを加える。 ※ほうとうの麺が出汁を吸う為かなり水分が減ります。水分が減ってきたらだしを加える。
5. 最後にえのき、醤油を加えてさらに5分程煮込んで味を見て調整をする。 ※カボチャがとろけていれば大成功!カボチャの選び方次第で出来上がりが違うので出来るだけ国産カボチャを使うことをお勧めします。

山梨はほうとう以外にも鳥もつ煮・おざら・煮貝・吉田のうどん笹子餅などの郷土料理があります。先人の知恵が取り入れられてた郷土料理は、地域の歴史を紐解くものであり 、親近感をもつことでその土地の 暮らし方を感じることができます。みなさんもご 自分の出身地の郷土料理を確認して一度作ってみてはいかがでしょうか?

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るぅ

出身:山梨県甲斐市 電機メーカー勤務の30代サラリーマン兼料理研究家 幼少期から料理が趣味な独り暮らしOLの気ままなレシピを掲載中。http://www.oceans-nadia.com/profile/detail.php?search_customer_id=13280 週末は築地場内市場で買い出しした鮮魚/お肉/野菜/フルーツを使って毎日のお弁当へ入れるお惣菜やリサイクルメニューを掲載。 週末に常備菜をストックすることで毎日お弁当生活を充実させています。

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